山裾に桜が咲き、稜線に穏やかな季節が訪れる。
3月の終わり、山裾の桜がほころび始めると、稜線全体がゆっくりと目を覚まします。淡い桃色の花びらが石畳に舞い落ち、冬のあいだ眠っていた木々には柔らかな若葉が芽吹きはじめます。空気はまだ肌寒さを残しながらも、日中は歩くのにちょうどよい暖かさへと変わっていきます。
この時期の森では、鳥たちの鳴き声が一段と賑やかになります。冬を越えた小鳥たちが谷から稜線へと戻り、朝霧の中でさえずる声が石段のあいだに響きます。鉄製の手すりに朝露が薄く光る様子は、春ならではの静かな美しさです。
桜前線は山裾から稜線へと数週間かけてゆっくり駆け上がるため、標高によって見頃の時期が異なるのも春の楽しみ方のひとつです。低地で花が散り始めた頃、稜線ではまだ満開の桜を楽しめることも少なくありません。
竹林を抜ける小道は、春になると新緑の光で満たされます。若い竹の葉がさやさやと揺れる音が、石畳を踏む足音と重なります。
トレイル入口の石の鳥居は、春の柔らかな光の中でひときわ穏やかな表情を見せます。ここから始まる一年で最も心地よい季節の旅。
石段と洗練された鉄製手すりが導く当社の代表的なトレイル。桜の季節は特に歩きやすく、初めての方にも安心しておすすめできます。